先日、都内で開催された「中小建設業者のための『法定福利費セミナー』」に、聴講に行ってきました。
我々のような中小の下請け業者だけでなく、元請の会社の方々も勉強に来ていました。
平成23年の政府調査では、建設業界の労働者の約43%が保険未加入状態だったそうです。
このまま放置すると、人材が建設業界に集まりにくくなるということで、国土交通省は、建設業者の社会保険未加入問題の対策に乗り出しました。
社会保険等未加入対策を進めていく上で、法定福利費の確保が重要ですが、これまでの取引慣行では、法定福利費がどのように取り扱われているのかが、分かり難い状況でした。
そこで、下請企業が元請企業(直近上位の注文者)に対して提出している見積書を、従来の総額によるものではなく、その中に含まれる法定福利費を内訳として明示した、見積書(標準見積書)を作成し、これを活用することによって、社会保険等の加入に必要な費用を確保できるようにして行こうということになったのです。
一口に標準見積書と言っても、見積りの段階で法定福利費を算出するのは、なかなか難しい面もあって、その内訳の考え方と計算方法について、今回学んで来ました。
うちは法人なので、社会保険や雇用保険の加入は必須ですが、個人事業の方は常用の労働者が5名以内の場合は、国民健康保険でも良いわけなのです。
弊社の社員には、経営者の同居の親族が居ますが、この場合は雇用保険は適用除外になります。
このように、社会保険や雇用保険への加入は、いろいろと条件があって、求められているのは、「加入すべき保険と年金にきちんと加入しているかどうか」だということを理解する必要があります。
「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、「遅くとも平成29年度以降においては、適切な保険に加入していることが確認出来ない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである。」としています。
個人事業の方や一人親方の方はとくに、自社にとっての「適切な保険」な何かということを、きちんと勉強する必要があるのではないかと思いました。